二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。
「メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、
魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。
少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。
今回のレビューはこの車!!!
BMW 5シリーズ(F10)編!!!

・スペック(523d)
エンジン形式 N47D20C
最高出力 184PS(135kW)/4000rpm
最大トルク 38.7Kg・m(380N・m)/4000rpm
種類 直列4気筒DOHCターボ(ディーゼル)
総排気量 1995cc
・本質を見る
今回はF10型5シリーズ!しかし正直に言って、レビューを書くのが難しい1台でした。
これまで私がレビューした車では、911GTSやS63クーペのような高性能・高額車から


G20 320dやG30 530eのような身近に感じる車まで様々な車をご紹介してきました。


そういった車たちは、比較的「語りやすい魅力」を持っています。
例えば911GTSにはポルシェらしい走りの良さや緊張感、320dには最新のディーゼルエンジンの魅力や合理性といった分かりやすいテーマ。
では、今回のF10型5シリーズはどうでしょうか。

現行のG60型と比べると装備やデジタル感では劣りますし、先代のG30型と比べても快適性能や先進性では一歩譲る部分があります。

また、同年式のM5のような爆発感もあるわけではありません。

つまり、最新でもなければ、特別に派手なモデルでもなく、今語るのには難しいモデルに見えるかもしれません。
しかし、実際に向き合ってみると、このF10型には今だからこそ感じる魅力がありました。
今回は、代車でお貸ししている523dモデルと向き合いながら、F10型5シリーズをという世代をあらためて見つめ直してみたいと思います。

・現代的な「クルマである」
F10型5シリーズは、BMW 5シリーズの中でも6代目に当たるモデルになります。
先代モデルは独特なデザインとV10エンジンを搭載するM5が存在するE60型。
後続は、より現代的な技術が盛り込まれ、クルマとしての完成度を高めたG30型。

つまりF10型は個性的なE60型と現代的なG30型の間に存在するモデル

このあたりの特徴は、F型のBMW特徴でもあります、つまりは電子的なデバイスで武装しながらも、しっかり「車らしさ」を残している。ということです。
以前のF80型M3と同じですね。

・フラッグシップは伊達ではなく
勿論ですが、当時の「フラッグシップセダン」として登場したF10型は、今にも通用する先進的な機能も多数装備しています。

8速ATを搭載したミッションは、高度なシャシー制御と合わせ、BMWの名に恥じないシャープな動きをしてくれます。
iDriveを備えたナビゲーションシステムは、カーブドディスプレイを搭載した現行モデルと比べると古さを感じるかもしれませんが、操作性とロマンではF10型が上回るでしょう。

「ロマンって?」と感じた皆さん、私の持論ではありますが、現行のカーブドディスプレイとの違いをお話しさせて頂きましょう。

カーブドディスプレイは、中央に向かって湾曲した大きな画面で車両情報を表示するシステムです。
特徴としては「デジタル画面で情報を表示」するため、中の画面を切り替えるだけで様々な情報、レイアウトを表示出来ます。

簡単に様々な情報を表示できる画面は、大きなメリットではありますが、致命的な欠点を抱えているのも事実。
それは変化するものは画面の中だけで、画面そのものは変化しないというところ。
走行性能には全く関係ありませんし、正直気にする人もあまりいないであろう欠点ではあります。
しかし、5シリーズでも、7シリーズでも、M2でもすべて大型の画面が鎮座している光景は、コストカットを感じてしまい、すべて同じに見えてしまう。と私は感じます。


上の画像は、F10型5シリーズとF32型4シリーズの内装。
良く見ると、ナビの形状だったり、コマンドボタンの大きさ、配置が若干異なるのがわかりますでしょうか。
これはそれぞれのモデルのためにメーター、システムを設計しているという証拠。
現代の共通化されている内装よりもロマンを感じる理由です。

・上質な重厚感
F10型の走りを一言で表すのであれば、重厚な圧を感じるというところ。
ステアリングを切ってヒラヒラと軽快に走っていくタイプではなく、車体の重みを感じながらゆっくりと、しかし正確に走っていきます。
5シリーズは高級セダンとして登場した車なので、この重厚感は魅力です。

今回試乗したモデルは523d、2リッターディーゼルエンジンは184馬力と数値上は非力に見えるかもしれませんが、重厚なボディで落ち着いた走りをする車なので「F10という車にマッチしている」と言えるでしょう。
トルクはやはりディーゼル特有、高速道路を流すくらいであれば、一切のパワー不足を感じません。
エンジンはそこまで回りませんし、むしろ回す必要が無く、しれっと求める速度域に達しているというイメージでしょうか。
また、リッターあたり14キロほど走る経済性の高さも魅力です。

・あえて今選ぶ理由はあるのか?
F10型5シリーズを今選ぶ魅力の一つは、やはり価格がかなり落ち着いている所です。

勿論、最新の5シリーズではなく、G30型やG60型と比べると、先進性や装備等は劣る部分はあります。
しかし、その分価格は落ち着いてきており、かつては高級セダンとして簡単には手が届かなかった5シリーズが、今ではかなり身近な存在になりました。
ここで重要なのが、F10型を「安くなった古いBMW」として見るのではなく、「高級セダンである5シリーズが、ようやく現実的な予算で楽しめるようになった」と見ることです。

ドアを閉めたときに感じる剛性、乗り込めば感じる落ち着いたインテリア、走れば圧倒的な安定性、これらは当時、「高級セダン」として設計されたからこそ備わっているものです。
価格が落ち着いた今でも、その本質は変わっていません。
むしろ今だからこそ、F10型5シリーズは魅力的な選択肢に見えてくると思います。
つまりF10型5シリーズは
単純に「安くなった高級車」ではなく、手の届く所まで降りてきたBMWの正統派高級セダンです。

でも、価格が落ち着いたからといって、維持費まで安価になるというわけではなく、F10はあくまで高級セダン。
だからこそ価格だけではなく、整備履歴やコンディションの見極めは重要。
その点は心配ありません、何せ弊社は「ガレージエブリン」
エブリンにおいてF10型はコンディションの良い個体を厳選し、しかも「エナジーコンプリートカー」として販売しています。

今だからこそ、価格以上の満足感のあるF10を、安心して楽しめる形で1台を選んで頂きたいと思います。
以上
二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW 5シリーズ(F10)編でした。
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BMW M3コンペティション(F80)








