二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。
「メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、
魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。
少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。
第12回目は…
BMW M5(F10)編!!!

・スペック
エンジン型式 S63B44B
最高出力 560馬力(412kw)/6000rpm
最大トルク 69.3kg・m(680N・m)/1500rpm〜5750rpm
種類 V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量 4394cc
・ラグジュアリーとスポーツの融合
数あるBMW・Mモデルの中でも、M5というナンバリングは歴代より「快適性とスポーツの両立」が謳われるモデルです。
M5は歴代モデルから「世代交代の最初のナンバー」であり、今回レビューするF10型M5もまた、F型としては最初のMモデルとなります。
現在6代目にもなったM5ですが現行モデルから言うと2世代前の車。
しかしながら、この世代にのみ存在する魅力が、F10型M5には多数備わっています。

・各世代ごとに異なる味を魅せる
さて、M5というと各世代ごとに味が全く異なるところが特長です。
例えばE60型にはF1由来の技術が惜しまず注ぎ込まれたV10エンジンを搭載しています。

その高い感応性は「歴代最高のエンジン」という声も多数。
F90型ではM5史上初の4WDシステムを採用。600馬力を発揮するエンジンと4WDの組み合わせは速さは勿論、快適性も桁違いに向上しました。

現行モデルのG90型ではPHEVとなりました。

システム総合出力は727馬力、1000Nを超えるトルクで他のライバル車種を圧倒。
そしてF10型はM5史上初のツインターボエンジンを採用、そして最後のFRモデルとなりエンジンは560馬力を発揮します。

(V8エンジン自体はE39型で搭載されていましたがツインターボは初採用)
・無駄?それともロマン?
乗り味の特徴としてはすぐ滑ってしまう程のハイパワー感がまず挙げられます。
とにかく強烈なエンジンで、自制心を持たなければタイヤが凄い勢いで削れていくことでしょう。
純粋なパワーでの比較では600馬力を誇るF90型には劣りますが、「暴れ馬に乗っている」と感じるのはF10型です。
理由はシンプルにFRであるということ、そしてFRで扱いきれる馬力の限界を超えているということです。
純粋な速さを求めるMモデルにおいて、滑ってしまうというのはロスでしかないわけなので、F90型が4WDになったのは一切間違えていない進化です。
しかし扱いきれないパワーには「ロマン」を感じる部分があるのも事実
悪い言い方をすると4WDのF90型は確かに速いですが、ドライバーの技量が介入する部分が少なく、楽に、速く走らせることが可能です(それが長所でもあるわけですが)
FRモデルのF10型では、雑にアクセルを踏めばスリップします、しかし上手くトルクを伝えられれば強烈な加速も発揮します。
ドライバーの技量がそのまま車の動きに反映されるということです。

これはM5に限った話ではなく、F型のMモデル全体の特徴でもあります。
・重量感ある安心感
エンジン以外に目を向けると車の乗り心地自体はドッシリとしていて安定感は非常に高いです。
私の印象としてはF型のMモデルにはすべての車が「危険な雰囲気を持っている」と感じる部分があります。
例えばF82型M4はまるで氷の上をつま先立ちで歩いているような繊細な乗り心地です。
技術的にはDCTやTCSなどM4の繊細さの理由でもあるシステムがついているわけですが、M5自体が持つロングホイールベースなどボディの違いで安定感が高くなっている印象です。
ステアリングから得られるフィードバックもM4では激しく感じる部分もM5ではしっとりと受け流していきます、しかしゼロではないので、楽しさも忘れてはいません。

(ホイールベースは2965ミリ、M4は2810ミリ)
・楽しむためには・・・
F10という車を楽しむために前提としてTCSは切っておきましょう。
というのも特徴である暴れるエンジンがTCSにより摘まれて台無しにしてしまう部分があるからです。
しかしTCSを切るのならハンドルからは手を離さない方が良いてす。
例えるならヘビー級ボクサー、モハメド・アリのような重量級ゆえの強烈なパンチ
それ程までにエンジンのパンチは強力で、そこにスリル、ロマン、そして楽しさを兼ね備えています。
ドライバー次第で乗り味も感じ方も変わる1台、「車を操る楽しさ」を味わいたいという方にはピッタリな1台。
ゴジラのような猛獣を飼いすような気分になれることでしょう。
以上
二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・BMW M5(F10)編でした。
前回

(市場からはどんどん数を減らしていっている車種です、乗れる機会もこれから先減っていくことでしょう・・・)


