青木 正幸の独り言・・・フェラーリチャレンジ結果報告
2018年07月02日
“フェラーリ・チャレンジ”アジアパシフィックシリーズ第4戦に、参戦した青木 淳に多数の応援をいただき
本当にありがとうございました。
現地で応援していただいたお客様は、すでに結果をご存知かと思いますが、私のわかる範囲で
詳しく報告させていただきます。
まず世界最年少での参戦ということがクローズアップされていますが、 青木 淳は二ヶ月前にライセンスを
取得したばかりで、公式レース経験はありません。
今回が初レースです。 草レースの試合経験もありません。
大会二日前に現地で数時間ほど練習走行しましたが、それまではもっぱらシミュレーターでの練習のみ。
そんな素人がこの大会に出るだけでも異例ですが、本番前日の練習走行で出したタイムが、なんと1分44秒55
これは上位入賞も狙える脅威のタイム。
※ちなみにこのあと非公式ですが、1分44秒・12を記録 ・グリッド5番目のポジションも狙えた好タイムです。
フェラーリ・チャレンジは、過去の戦歴、タイムなどを考慮して下記の三つのグループに分けられています。
Aクラス・・ピレリークラス (5〜10年以上の経験者)
Bクラス・・シェルクラス
Cクラス・・シェルアマチュアクラス
青木 淳は冒頭で申し上げたとおり、レース経験はないため当然Cクラスでの出場予定でした。
ところが、この練習走行で出したタイムがあまりにも速いため、「経験者ではないのか?」 「雇われプロドライバーじゃないのか?」 「Cクラスはおかしいじゃないのか?」
と各所から大会本部にクレームにも似た声が多数あがりました。
1分44秒55 ・・・このタイムは43台走行中・4位。
たんにスピード狂の街角レーサーではなかったようです。
本人はCクラスでぶっちぎりの優勝、表彰台で恒例のシャンパンをかけあいたい
そんなささやかな夢を持っていたのですが・・
それは参加者すべてが同じ思い。
「 こんなタイムを出されたら自分は・もしくは自分達のお客様が表彰台にあがれない・・ 」
参加各国のフェラーリディーラーから政治的な圧力があったことは確かです。
若さと速さに対する嫉妬でしょう。
なんと大会本部がだした結論は・・「 J・AOKI 」 はAクラス
大会前日にクラス変更、しかも2クラスアップ、異例中の異例です。
完全なアマチュアレーサーをAクラスに入れたのです。
Aクラスはレース経験5年以上というルールさえもを変えたんです。
その結果に本人は腐ることもなく、初参加でAクラスに入ったことをポジティブに考え迎えた当日。
初日の決勝は、他車と接触して右側面をクラッシュ
右フロントタイヤは軽症ですんだものの、右フロントドアが広範囲でクラッシュしたため、
トラクションコントロールが強制的にOFF
それでも走り続けた結果はAクラス7位でした。
そして運命の二日目。
本人は前日の結果には納得していません。
今日は決勝にむけてタイヤを温存する作戦。
予選は昨日より2アップの12位。
ちなみにAクラス内では6位。
いよいよ決勝です。
鬼気迫る表情の淳。 覚悟を決めた眼差し。
私の涙腺が緩んだ瞬間でもありました。
30分間の耐久レース
12位でスタート
私と雄と手嶋君と中村君は、ピットビルBの屋上で応援旗を振ることも忘れ声援!!
3週目で11位!! 4週目で10位!!
ホームストレートは時速292キロ・ 前後の車間距離はわずか1〜2メートル
左右の車間距離は数センチ
レース経験とテクニックは他のドライバーに劣ることは確か
しかし「死」をもいとわない狂気の走りに、他の百選練磨のドライバーも困惑
「 やばい奴・・ 」 そう感じたことでしょう。
のこり時間15分
なんとその時点・Aクラス4位・全クラス7位
クラスなんて関係無い!! Aクラスで入賞してやる!!
そんな思いが痛いほど伝わる攻めに攻めた走り。 観ていても本当に狂気を感じたほど。
死んでもいい
この20年間体調の良い日は一日も無い
それを知っている私には、淳の走りにそう感じました
残り時間は十分ある
狙える
本人も確実にそう思ったはず
ホームストレートを292キロで通過して第一コーナーの手前150メートルでフルブレーキ
コカコーラコーナーもなんなく通過
トヨペットコーナーもインを果敢に走行
そして運命のアドバンコーナー
オーバースピードだったのか、インから来た他車に接触したからなのか、原因はさだかではありませんが、
接触と同時にセーフティーが働いてブレーキやその他機能が停止して大きくスピン
側壁にノーブレーキで車両正面から激突
たまたまそのコーナーで撮影していたカメラマンの有馬さんが、
その瞬間を撮影していたため、すぐに電話連絡が。
「 やばいです!! 淳さんがやばいです!! 」
私たちが応援していた場所から事故現場まで約1キロ
無事だけを祈りながら4人で全力疾走
事故のアナウンスはいまだ無し
どれほど遠く感じたことか
現場に到着したときには、すでに淳はレスキューされたあと
目撃者によると自力で歩いていたと・・・
この損傷で・・・
レーシュ終了後、 同レースの常連ドライバーが淳に浴びせたことば
「 おまえなんか止めてしまえ!! 速いのはわかるけど、ほんまに死ぬぞ!!!! 」
すぐさま反論した雄と私
「 部外者は黙ってろ!! レーサー同士で話しつける 」 といわんばかりの表情で私たちを睨む淳
行く末恐ろしいやばい奴
そう確信した二日間でした。
By Aoki
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パパ!! お疲れ様でした!!