二級整備士・輸入車オタクの稲数 侑哉です。
「メカニックとしての視点」そして「車オタクとしての視点」から私が感じた様々な車の乗り味、
魅力等を忖度抜きで解説で紹介していくコーナーです。
少しマニアックな話も含めて皆様に車のことを知っていただければなと思います。
2026年第三弾のレビューはこの車!!!
アウディ RS4アバント編!!!

・スペック
エンジン型式 DEC
最高出力 450馬力(331kw)/5700rpm〜6700rpm
最大トルク 61.2kg・m(600N・m)/1900rpm~5000rpm
種類 V型6気筒DOHC24バルブICツインターボ
総排気量 2893cc
・技術による先進
今回レビューさせて頂く車はBMW、メルセデス・ベンツと共にドイツのビッグ3を担うアウディ
私のレビューでも初登場となるアウディですが、エブリンにおいて今話題沸騰中のメーカーです。
ご存知かもしれませんが、堺店セールスマネージャー都野田さん(RS6)を始めとして、堺店ストアマネージャー安藤さん(RS6)、そして先日の独り言でも登場していたメカニックの牧野さん(S7)とエブリン内でもファンも多いメーカーとなります。
その中でもRS4アバントは、アウディ内だけでなく私が今まで試乗してきた中でもトップクラスに楽しいと思った1台になります。
RS4アバントはAuto channel Garage EVERYNでも紹介していますが、車とは人によって印象は全く変わってくるというもの
「技術による先進」を理念とするアウディ、その中でもトップグレードに位置するRSモデルを今回は私の目線でその実力を確認していきましょう。

(今回試乗するRS4アバントは25イヤーズという特別なモデルになります)
・独特な理念
まずアウディを語るにあたって1番のポイントとなるのはエンジンの搭載位置となります
アウディはRSモデルにおいて、RS4〜RS7は縦置きのFFベース4WDとなっています。
基本フロントエンジンの4WDとなると、横置きエンジンでFFベースの4WD、若しくは縦置きエンジンでFRベースの4WDが主流となります。
例えば前者はAMG A45、WRX STiといったコンパクトなスポーツモデル、後者はG82 M4、R35 GT-Rといったハイパワーなスポーツモデルに搭載される事が多い形式です。
その中アウディは450馬力を発揮するRS4アバントや600馬力を発揮するRS7スポーツバックでも同じ形式で搭載されています。

(前軸より前に搭載されているのがポイントです)
アウディによると「直進安定性を高めるため」
デメリットは当然あります。
例えばフロントヘビーとなってしまうこと、搭載位置の関係上どうしても頭が重くなってしまいます。
しかしアウディはそれもメリットへと変えています。
通常、自動車は加速する際にフロントが浮き上がります。
フロントが浮き上がると荷重が逃げ安定性を損ないやすいと言われています。
また、横置きエンジンは構造上エンジンが片側に寄ります(ミッションがある為)
そしてドライブシャフトの長さが左右で異なるためどうしてもトルクステアが発生します。
そこでエンジンを縦置きとすることで、まず車体の中心にエンジンが来て左右のバランスが良くなります。
次に加速時にフロントが浮かないことで前輪が路面をしっかり捉えます。
逆に減速時はフロントが沈みやすく荷重変化させやすく、「頭の入りが良い」
同時にフロントブレーキを強力に使用できます。
アウディと聞いてクアトロの名前はあまりにも有名です
安定性の高さは独特なエンジンの搭載方法から来ています。

・刺激的かつ実用的
エンジン自体はどうかという話ですが、まず他のRSモデルだけでなくMモデルやAMGと比較してもトップレベルに刺激的です。
まずV6エンジンというのが珍しいですが、今時の車と考えるとエンジンの振動感、回転数の上がり方、トルク、そしてフィーリングに至るまで「エンジンが実際に回って加給されてトルクが上がる」というエンジンの動きが体に伝わってきます。
振動が大きいというのは欠点でもありますが、RSモデルを選ぶ時点で車好きな方だと思うので問題はないでしょう。
回転数の上がり方自体は非常に滑らかで、逆にトルクがありすぎて繊細な乗り味、いきなりパワーが出て危険、と言う訳でも無く、日常使いで考えても非常に乗りやすいエンジンです、言い方を変えればエンジンが軽いという印象です。
・ホットハッチというジャンル
RS4アバントはホットハッチというジャンルに属する車となります。
欧州車では人気のあるジャンルで、例えばVWゴルフ、ルノーメガーヌ、アバルト595、ホンダシビックタイプRといった車が属するジャンルになりますが、特徴としては強力なスペックを持ちながら小回りが利き、日常使いにも問題なく使用可能な車ということ。


RS4アバントは先ほどエンジンが乗りやすいと言いましたが、勿論エンジンだけではありません
トランクの容量は約495L、ハッチバックとなるので大きな荷物の搭載は容易

後部座席は広いとは言い難いですが2ドアクーペと比較するとマシでしょう。
後部ドアがあるだけでも乗り降りはしやすいですし、物凄く狭いと言う訳でもなく、着座時にギリギリ頭が当たらない程の屋根の高さもあります。

日本は欧州と同じく、狭い道が多いのでコンパクトな車体なRS4アバントは正に日本向きな車です。

クアトロシステムによる制御性能の高さは雪道の走行も余裕でしょう。

・利口的で刺激的
肝心の乗り味と言うと、全体的に動きの軽さが目立ちます。
アクセルのレスポンスだけでなく、ステアリングの感覚、応答性からクイックで乗りやすいです。

大径ホイールでタイヤの扁平が薄いので路面の凹凸をかなり受けますが、逆に路面の状況を掴みやすいとも言えます。

コーナーにおいては頭の入りの良さは魅力です。
ブレーキはフロントしか効いていないんじゃないかというくらいフロントのブレーキが強力ですが、山道などではこれが姿勢変化をさせやすくて理想的でしょう
強力にブレーキを踏んで前に荷重を移動させたまま減速
↓
そのままクイックなステアリングで曲がる
↓
V6エンジンのレスポンスとクアトロシステムによる鋭い加速
正に山道向きで、本当に扱いやすさが魅力です、自分の手足のように動かせます。
助手席のシートベルトがシートと当たってカタカタうるさいですが、そこは愛嬌です。

(誰でも楽しめる、というのも強力なメリットです)
・長い歴史の中で
先ほど山道向きと言いましたが、ある意味でアウディにとって山道は本場であるといえます。
車に詳しい方、アウディに詳しい方ならご存知かと思いますが、アウディと言えばラリーです。

(アウディ クアトロWRC”80)
1980年代、アウディが世界ラリー選手権に投入した「アウディ クアトロ」はラリーの歴史そのものを変えました。
それまで4WDは重くて不利と言われていましたが、パワーよりもトルクを重視した思想は圧倒的な速さで他メーカーを置き去りにしました。
「技術による先進」とはこのラリーでの成功と強く結びついています。
現在、ラリーだけでなく高性能スポーツカー、スーパーカーでも4WDが主流ですが、このすべては「アウディ クアトロ」が原点です。

今回の車両には「25イヤーズ」という名がついていますが、何をもって25イヤーズなのかというと

アウディRSモデルの原点、スーパーワゴンという概念を作り上げたRS2アバント
ポルシェと共同開発されたこちらの車は、4人乗り、実用的でありながらフェラーリ348と互角の性能を持っており、現在では博物館で見るような希少な車。

そんなRS2への公式トリビュートモデルと言えるのがRS4アバント25イヤーズです。

・「スポーツカー」ではない
さて、1つだけ疑問が残ります。
何故もっと高性能な「RS6アバント」や「RS7スポーツバック」ではなく、RS4アバントが25周年記念モデルとして選ばれたのかということです。
運転すると理由はすぐに理解できます。
乗り味はまるでラリーカー、確かに高速道路や高いスピードレンジの領域ではRS6アバントなどの方が速く快適に走行は可能です。
しかしラリーとは基本山道、山道という領域においてはRS4アバントは「非常に楽しい」が先に来て、次にその車の凄さを理解することと思います。
歴史を変えたアウディクアトロの直系の後続車であるRS2アバント
そんなRS2アバントの正当後続車であるRS4アバントは、車の楽しさだけでなく、アウディの歴史を感じることが出来る1台となります。
アウディの歴史を最もわかりやすく体現しているモデル
アウディの歴史がRS4アバントを作ったと言い切れるでしょう。

以上
二級整備士・稲数の試乗インプレッション・・・)アウディ RS4アバント編でした。
前回

(豆知識ですが、前後のタイヤのサイズが同じで、スペアタイヤ1本で前後に使用できます、ラリーカーとして制作されていると感じますね)



